2015年11月22日

8mm フィルムのエアリアル・テレシネ(空中結像)化

父が撮った8mmフィルム(主にレギュラー・無声)が長尺で十数リール分ある。家族を中心にした催事を1950年代〜1980年代初めにかけて撮ったもので、これらについては光源をハロゲンからLEDに換装したエルモの映写機と凸レンズ(これは書見台を代用)を用いたエアリアル・テレシネ(空中結像)化でデジタルムービー化を行った。業者のテレシネサービスと比較しても自慢できる出来である。


(エアリアル・テレシネのサンプル)

映像は1958年-1973年の年度毎にアップロードした映像十数本からシーンを集めたダイジェスト版。アップロードした映像は全て凸レンズを使いElmo社製K-120 SM映写機(映写スピード微調整可能・LED光源搭載改造済)で投影したエリアル像で作成。フレームの周辺にゴミが映り込んでいるが、フィルムの清掃が足らない為に生じた現象なのでご容赦。8mm映写機用LEDランプはヤフオクでも入手可能である。

エアリアル・テレシネ(空中結像)とは、映写機の前にスクリーンの代わりに凸レンズを配置し、通常用いるスクリーンを透明にしてそのスクリーンの裏側から映像を見るということ。つまり、映写機から放たれた光は凸レンズに当たるとレンズ内で屈折し結像する。その像(空中像=エアリアル)をレンズの向こう側から直接デジタルカメラで動画撮影することでフィルムの映像をデジタル化するやり方。一般的な白壁に投影した映像を間接的にデジタルカメラで動画撮影する方法よりも、直接光を捉えられる点で色抜けが良い。

私が用いている凸レンズは、実は私の住んでいるマンションのゴミ置場に捨ててあった拡大鏡をそのまま再利用したものだ。この拡大鏡はホームセンターで数千円程度で売っているものでありきたりの商品。(レンズ直径は12cm程度)拡大鏡の自在腕を用いて、レンズ面が映写機の投射レンズと正面対抗するように配置。拡大鏡のレンズの上下位置やレンズの微妙な角度をもたせるにはこの自在腕が役に立つ。

拡大鏡.jpeg

実際には映写機にフィルムをかけて、LED光で映像を静止した形で投射し、拡大鏡のレンズ面に光が当たってレンズ内で結像する位置を目視しながら探ることになる。映写機の投射レンズの調節機能も用いる。この位置合わせには案外時間がかかる。通常のハロゲン光だと、この時間でフィルムが焼損してしまうが、LED光源だと、この心配は全くない。(ハロゲン光源でエアリアルでのテレシネをされている方はこの作業においてかなりフィルムをダメにしていると思う)

その状態で拡大鏡を覗くとある位置で、くっきりと映写機から投射された画像がレンズ内に見える。その状態で、映写機と拡大鏡の位置を固定し、デジタルカメラ(固定焦点・露出はマイナス3程度に固定)の動画モードでレンズ内に結像した像がカメラ側のファインダーでどう映るかを確認。デジタルカメラも拡大鏡とレンズ面同士が正確に対抗する位置を探す。その位置を固定するには三脚でカメラが動かないようにした上で、映写機をまわして、カメラ側のファインダーでフリッカーの程度を確認し、映写機側の速度調整機能を用いて見た感じでのフリッカーが少なくなるように調整。

デジタルカメラに記録された映像は、左右反転イメージなので、パソコンの動画編集ソフトで正転させ、コマ速度を調整し、撮影時の音声(映写機の音など)をすべて消去し、さらに、ソフト上で色味や明度を調整して動画に仕立てる。

これらが一連の作業。実際にはかなり大掛かりで、映写機・拡大鏡・デジタルカメラをこの目的で配置するにはそれなりの空間(1.2メートル程の光路)が必要となる。しかし、何回かやって馴れてしまえば簡単な作業となる。デジタル変換業者に高い金を払って結果物があまり満足いかなかったり、業者側の作業でフィルムをダメにされたりすることを考えれば、自己責任で納得いくまで試行錯誤する方が良いと私は思った。
posted by ihagee at 13:01| 8mmフィルム