2015年11月21日

8mm フィルムのスキャンとムービー化

父が撮った8mmフィルム(主にレギュラー・無声)が長尺で十数リール分ある。家族を中心にした催事を1950年代〜1980年代初めにかけて撮ったもので、これらについては光源をハロゲンからLEDに換装したエルモの映写機と凸レンズ(これは書見台を代用)を用いたエアリアル・テレシネ(空中結像)化でデジタルムービー化を行った。業者のテレシネサービスと比較しても自慢できる出来である。そのエアリアル・テレシネについては追って投稿したい。

ところで、アセテート・ベース(TAC)の8ミリフィルム(レギュラー)はビネガー・シンドロームという経年劣化が始まっていた。酸っぱい臭いがしてフィルムベースが変形したり脆くなるのである。テレシネの過程でもフィルムの一部が千切れてしまったり、映写機の中で詰まってグチャグチャになってしまった。それら千切れたり、グチャグチャになったフィルムのかけらを再びつなぎ直して映写機にかければ同じことになりかねない。かと言って捨てる気にもならない。かけらと言えども記録が保存されているのである。

8mmfilm.jpeg

そこで かけらとなった8mmフィルムをスキャンしてデジタル化できないかと思案した。米国のWolverineという会社が8mmフィルム(スーパー)もスキャンできる機械を販売していることを知り、eBayを通じて購入した。

Wolverine.jpeg
(Wolverine 4-in-1 F2D 20-Super)

送料込みで15,000円程である。スーパー8対応だが、フィルム幅の同じレギュラー8でもスキャンできる。さっそく、かけらとなった8mmフィルム(レギュラー)をスキャンし、フレーム毎の静止画像をiMovieでつなぎ合わせ、YouTubeにアップロードした後、スタビライズとトリミングをして記録をムービー化した。


(1967年撮影:鈴鹿サーキットにあった<ホンダランド>での一コマ)

上述の自家製テレシネと比較すると画質は落ちるがそれでも記録が残せることに満足した。一コマスキャンするのに約5秒(上掲の映像ではその部分は早送りにしているが)、フィルムを手送りしてはポチッとボタンを押す操作の繰り返しなので至って簡単である。スキャンした静止画像はWolverine本体の背面に差し込んだSDカードに記録される。これをパソコンに読み込んでの後処理である。フィルム送りまで自動化したお手軽スキャナーをWolverine社が製品化してくれることを願うところである。
posted by ihagee at 13:47| 8mmフィルム(アナ→デジ)