2015年11月18日

Prontorのケーブル・レリーズ

Stitzのケーブル・レリーズが壊れてしまったので、ドイツ・プロンターの中古品に取り換えた。レリーズで百年の間トップブランド・バリューを確立してきたメーカーだけのことはある。カメラ本体のシャッターボタンの重さや操作感をケーブルと押釦を介して指先にそのまま感じることができるから大したものだ。

prontor.jpeg
(Prontorケーブル・レリーズ)

電子部品の塊りである今どきのカメラにあっても、ギミックでそれら機械的なフィーリングをあれこれ再現しているが所詮はバーチャルである。リアリティに乏しい。機械的カメラに馴れた指先はうるさいのである。そんな指がこの世に存在し続ける限り、プロンターのレリーズは評価され続けるのであろう。50年前とさほど設計を変えなくとも「どうあるべきか」が最初からコンセプトが明確なので「同じものを作り続ける」ことができる。

日本ではさしずめ、<亀の子束子>(西尾商店)だろう。戦前からの建物で今も営業している。時流に流されていないのだ。

スマホのように移り気な市場のニーズに合わせて設計をどんどん変えていては、「同じものを作り続ける」ことができない。50年前の設計が50年先に通用するようなモノを作り続ける企業は少なくなっている。
posted by ihagee at 18:16| Accessory