2022年09月20日

西側に責任がある(ハンガリー・オルバン首相)



ハンガリーのヴィクトル・オルバン首相は、ロシアとの武力衝突により、ウクライナは領土の最大半分を失う可能性があると考えている。バラトン湖近くのケチェのリゾート地に集まったFIDES党の活動家 - ハンガリー市民同盟 - との会合でこの見解を表明した(現地ネプサヴァ紙)。

この戦争は2030年まで続く可能性があり、ウクライナは領土の3分の1から半分を失う可能性がある。局地的な戦争に西側が介入して世界的なものにし、今、ヨーロッパはロシアに制裁を課すことで、自分自身を傷つけている。制裁によって引き起こされたエネルギー危機により、ヨーロッパの産業の最大 40% がこの冬に停止する可能性がある、とオルバンは警告した。

EU首脳は秋に再会し、ロシアに対する制裁をさらに6カ月延長する予定だが、そのような動きは阻止されなければならない。しかし、EU でそのような地位にあるのは自分だけであるが、イタリアで行われる選挙の結果、この考え方を支持する政府が形成されることを望んでいる、とオルバンは述べた。

オルバンはまた、2030 年までに、金融ショック、移民の増加、およびその他の多くの要因の影響を受け、EU の状況が大きく変化する可能性があり、「肯定的な答えが見つからない場合は、結論を出さなければならない」と述べた。

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欧州委員会は9月18日、「民主主義の後退とEU通貨の管理における腐敗の可能性に関する懸念のため」、ハンガリー向けの約75億ユーロの補助金の交付を一時停止することを勧告した。この制裁は法の支配の侵害に関するとし、ハンガリーの公的調達法を巡る問題や不十分な利益相反対策など不正防止措置の不備を指摘した。加盟国は3カ月以内にこの勧告の可否を判断する見込み。75億ユーロは、ハンガリーの2022年の国内総生産(GDP)見込みの5%に相当する。

AP通信によると、欧州委員会はヴィクトル・オルバン首相を「民主制度を崩壊させ、メディアを支配し、少数派の権利を侵害している」と非難しているが、オルバン首相はEUのその非難を否定している。

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ウクライナ大統領府の首席補佐官であるミハイル・ポドリャクは、ウクライナがその領土の一部を失い、欧州連合が崩壊するだろうというオルバンの声明に以下、ツイッターでコメントした。

「オルバンは、ロシアに対する制裁解除のために戦うと言っている。スペードをスペードと呼ぼう。ハンガリーは、ヨーロッパの納税者を犠牲にして、欧州連合の崩壊を求めているトロイの木馬だ。オルバンはウクライナを憎み、ヨーロッパにロシア世界を夢見ている。EU はこれらの妨害行為に資金を提供すべきなのか?」

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Transparency Internationalが調査・公表している2021年度腐敗認識指数(Corruption Perceptions Index – CPI)によると、ハンガリーは73位(43.00 pts)、ウクライナは122位(32.00 pts)である。

12〜13種類の調査報告に基づいてスコア化し評価し、スコアは0ptsから100ptsで評価され点数が高い方が汚職が少ない。上位3カ国はニュージーランド、フィンランド、デンマーク(共に88.00 pts)で、日本は18位(73.00 pts)。政治民主化度では、ハンガリーは86位、ウクライナは101位、日本は43位となっている。

「国境なき記者団(Reporters Without Borders・以下RSF)」によって調査・発表される報道の自由に関する最新(2022年)国際ランキングでは、ハンガリーは85位 (59.8 pts)、ウクライナは106位(55.76 pts)、日本は71位(64.37 pts)である。

(おわり)


posted by ihagee at 01:30| 日記