2020年02月16日

我々は洗脳されていません



”中国には地方自治がない。幹部には自分の責任で判断し行動する権限が与えられていない。武漢市長が「発表が遅れたのは、伝染病には『伝染病防治法』があり、法に基づき発表しなければならない。私は、地方政府として情報を得た後、(中央政府から)権限を授けられて初めて発表できる。これを理解してほしい」と発言したのは、政府批判でも何でもない。いみじくも中国国家の構造問題を語っているのである。だから中共中央の指示がすべてであり、今回、あらゆる権限を自らに集中した習近平主席の権限発動が遅すぎたことは否定できない。”(「ちきゅう座」”新型肺炎の蔓延について思うこと(阿部治平氏)”から引用)

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日本では日本国憲法第8章で地方自治が保障されている。すなわち、地方公共団体の政治が国の関与によらず住民の意思に基づいて行われることが憲法によって保障され、地方自治法に定める地方公共団体の事務区分の1つが法定受託事務である(地方自治法2条9項)。

法定受託事務の判断基準
「広域にわたり国民に健康被害が生じること等を防止するために行う伝染病のまん延防止や医薬品等の流通の取締りに関する事務」は法定受託事務となっている。すなわち、国が本来果たすべき役割にかかわる事務を都道府県・市町村・特別区が受託する第1号法定受託事務と、都道府県が本来果たすべき役割にかかわる事務を市町村・特別区が受託する第2号法定受託事務に分類される。

また「厚生労働大臣は、感染症の発生を予防し、又はそのまん延を防止するため緊急の必要があると認めるときは、都道府県知事に対し、この法律(第7章を除く。)又はこの法律に基づく政令の規定により都道府県知事が行う事務に関し必要な指示をすることができる。」(感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律・第63条の2)

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新型コロナウイルス感染症は、感染症法に基づく「指定感染症」に指定され、また、検疫法に基づく「検疫感染症」に指定され(令和2年政令第28号、令和2年厚生労働省令第16号)、新型コロナウイルス感染症についての事務区分は、第二条第九項第一号に規定する第一号法定受託事務とされた(新型コロナウイルスを検疫法第三十四条の感染症の種類として指定する等の政令等(施行通知))。

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必ずしも国や厚生労働大臣の指示がなくとも、第一号法定受託事務の範囲で都道府県知事が主体的に事務を執り行うことができる。しかし現実は「行わない」。

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以下、長野県・知事会見(令和2年(2020年)1月31日(金曜日)11時02分〜11時40分 会場:県庁)から抜粋:

”中日新聞 渡邉陽太郎 氏
 コロナウイルスに関してです。午後の会議でも出るかもしれないのですけれども、国でも地方自治体でも、基本的に感染が確認された段階で発表されていると思います。それで1点なのですけれども、感染を確認した段階で、いろいろな自治体で対応が分かれているのですが、厚生労働省の発表を待って県も発表する、厚生労働省の発表を待たず県が独自に素早く発表するというケースがあると思いますが、現段階では長野県としてはどちらをとりたいと思っているのでしょうか。

長野県知事 阿部守一
 確認は国でしかできないので、先んじて発表するというのは物理的に難しいのでないかと思います。例えば国の発表が著しく遅いなど、そういうことがあればともかく、現時点では基本的に同じタイミングで発表するということになるのではないかと思います。”

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憲法で地方自治が保障され、地方自治法で法定受託事務として都道府県知事が主体的に事務を執り行うことが認められているにもかかわらず、その自治体が指示を国に預けている。これでは「(地方政府は)法に基づき発表しなければならない」という中国国家の構造問題と実質同じではないのか?

「国内サーベイランスについては、これまで、湖北省への渡航歴があるなどの要件に該当する方のみに限定した運用が現場で行われてきましたが、今般、こうした要件に限定されることなく、各自治体の判断で一定の症状がある方に対して検査が可能であることを明確化しました。関係者に周知の上、国内サーベイランスの更なる徹底を図ってください。」(新型コロナウイルス感染症対策本部(第7回)

そして、新型肺炎の全国的感染拡大の事実を認めた(加藤厚労相・2020年2月15日)。


しかし、国内サーベイランスはそもそも安倍政権の「湖北省・浙江省縛り」で限定されている。もとより新型コロナウイルスの感染伝播を1月中頃までに十分知り得たにも関わらず、春節期間の前後に亘って数万人の中国人観光客を迎い入れインバウンドに執心した。


(春節に際して(中略)更に多くの中国の皆様が訪日されることを楽しみにしています。その際、ぜひ東京以外の場所にも足を運び(中略)同時に、更に多くの日本国民が中国を訪問し、中国への理解を深めて頂きたい・安倍首相春節祝辞(2020年1月23日)。外務省は、感染拡大後、この祝辞を削除。)

そして、未だに中国本土全域からの入国を拒否する方針を政府が発表しない。国内サーベイランスは最初から破綻している。それらの主体的判断を下したのは安倍政権に他ならない。

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本日、青梅マラソンが開催される。主催者および主催地自治体は主体的判断を一切行わず、参加者各自の自己判断と責任に逃げている。



(厚生労働省の発表に従い・・との2月5日付主催事務局の通知は今は削除されている。その加藤厚労相は昨日、国内感染流行を認めている。発表に従う・・のであれば、中止すべきであろう。)

そして、3月1日には東京マラソンが開催予定。

「中共中央の指示がすべてであり、今回、あらゆる権限を自らに集中した習近平主席の権限発動が遅すぎたことは否定できない。」と同じ轍を踏むとすれば、その責任は習近平主席同様、「あらゆる権限を自らに集中した」安倍晋三首相に問われることであろう。その自称最高責任者は一度として自ら責任を取ったことがない。

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(「中国人、20代30代の若者はバカではないのです。我々は洗脳されていません。」)

今この瞬間、責任なき国家の構造問題を彼らは認識している。然るに、我々はどうだろうか?

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(昨年の東京マラソン)

(おわり)


posted by ihagee at 10:19| 日記