2019年04月30日

この一日を暮らす人々



天皇が代わろうとしている。時代も変わるとされ元号が改まり多くの人々に10連休が与えられた。

本当は何の区切りもなく過去から現在そして未来に繋がっているだけ。何だかんだと区切りを付けたがっているのは人間だけで、ほかの生き物は何の隔てもなく昨日から今日に生き続けている。

福島の原発事故から8年経った。あの事故を平成という過去に押し込めて風化させようとしているが、環境に暴露した放射性物質は消えることはない。百万年のオーダーの相手に8年など物の数にもならないのに、あたかも抗し得るかに大げさに振舞って、東京オリンピックで勝ち鬨をあげるらしい。

----

「人は疲れるけれど、放射能は疲れない」(作家・広瀬隆氏)

事故から程なくして、人生で一度と経験したことのないものすごい鼻血に見舞われた。その頃、勤め先の界隈(東京三宅坂)で植え込み(さつき)が全て真っ赤に枯死していた。

さつき1.png


さつき2.png


何も運動していないのに心臓がドクドクと突然と律動し、手足の関節が痛み、反射神経が鈍ったのか駅の階段を駆け下りることが怖くなった。自分の体の中の何かが小さな声を上げていたのだろう。今も時折その内なる声がする。

「何かがおかしい」と小さな声に耳を澄ますことすら許さない、大きな声を出す者が勝つ世の中になった。都合の悪いことを口にする人を黙らせ、都合の良いことばかりに同調させようとする圧力が凄まじい。

----

その同調圧力とわけのわからない狂騒の連休の中でも、黙々と雑誌を道端で売っている人々がいる。一冊350円、その内、180円がその人の収入となる。その雑誌の中に小さな声が充満していた。

rolleiflex-sl66-with-ttl-meter-finder--filmed-by-homemade-lens-using-a-x2-magnifier-lens-lomography-redscale-xr-50-200-location-wako-jurin-koen-wako-forest-park--saitama-september-3-2016_29480340551_o.jpg


THE BIG ISSUE JAPAN
2019 3.1 No. 354を買った。その表紙に元号などない。「ありがとうございます」ペコリと頭を下げ、清々しい笑顔を返してくれた。

(おわり)

posted by ihagee at 13:59| 日記

2019年04月28日

国際オリンピック委員会への手紙



国際オリンピック委員会(IOC)への手紙(2019年4月21日付で国際郵便にて発送され4月25日付でIOC本部=スイスに配達確認済)の写し(添付物共)一式がPDF形式でネット公開された(公開書面)。IOC・トーマス・バッハ会長に宛てたこの手紙の差出人はIOCの登録商標「五輪」について特許庁に異議申立を行った柴大介弁理士である(拙稿『IOCの登録商標「五輪」についに異議申立』)。



An Open Letter to the International Olympic Committee

qr20190508032545902.png


----

日本国の商標法の下で保護されているオリンピック資産、すなわち、大会パートナー/スポンサーが使用しているオリンピックに関連した登録商標のその「使用」が日本国の商標法に明らかに違反している状態にあるということを詳らかに指摘した上で、係る状況にあって、その使用について違法性や不法行為の可能性が極めて高いオリンピックに関連した登録商標に基づく日本国内でのライセンス活動について、直ちに中断することを決定し大会パートナー/スポンサーを含む関係者にその旨指示することで、それら関係者による商標権侵害を含む不法行為が続くことを防ぎ、関係者と共に可能な解決を求めてこの問題の「深刻さ」に果敢に取り組むことを求める内容となっている。

この書面の写しは
Mr. John D. COATES, Chair of Legal Affairs Commission, the IOC
​竹田恆和、JOC会長
​森喜朗、OCOG会長
​小池百合子、東京都都知事
​室伏広治、東京2020スポーツディレクター
​小川敏夫、参議院議員
​清水善広、日本弁理士会会長
​東京新聞(tokuho@chunichi.co.jp)
(敬称略)にも送付されているようだ。

----

東京新聞だけがこの大問題を詳しく伝えてきた。そして、こうデスクメモは綴る。

「(オリンピック関連の)登録商標を使っているスポンサー企業は、商標権侵害に問われかねない。むろん今後、法改正されても、今の違法性は消えない(法令不遡及の原則)。スポンサーには大手報道機関も名を連ねているが、この「不都合な事実」を報道するだろうか

東京新聞に続いてこの「不都合な事実」を報道する者は誰一人いない。しかし、今般、国際社会に「不都合な事実」が発信された(公開書面)。この問題は枯野に放たれた火のように国際社会にまで広まり、いずれ日本政府に責任が及ぶだろう。立憲主義・法治国家へのレッドカードが突きつけられているこの大問題。憲法記念日も間近。この記事を是非拡散し、未だ知らない人々にお知らせ願いたく。

(おわり)

posted by ihagee at 08:15| 東京オリンピック

2019年04月26日

大問題:スポンサーに対するオリンピック関連商標使用許諾は商標法違反(続き2)




(「最近よく見るあのタクシーは、何?」NHK News Web引用)


(トヨタ プレスリリース「トヨタ自動車、IOC TOPパートナーに決定」から引用)

----

東京が2020オリンピック競技大会の開催都市に決定した際に、東京都、公益財団法人日本オリンピック委員会(JOC)、国際オリンピック委員会(IOC)の3者で締結した契約がある。「開催都市契約」といい、各当事者が大会開催に向けて遵守すべき合意書である。

その開催都市契約第5条に、政府およびその他の当局が行ったコミットメントの遵守の保証(開催都市契約p11)がある。政府(...)が行ったコミットメントには、2020オリンピック競技大会立候補都市にIOCが提示した2020立候補受付手順書(2012年5月)の第115頁に書かれたQ7.3「アンブッシュ・マーケティング防止のための方策」で要求されている、遅くとも2018年1月1日までに必要な法を成立させることを確認する政府機関の書面=政府保証が含まれている。

アンブッシュ・マーケティング【ambush marketing】
オリンピックやワールド━カップなどのイベントにおいて、公式スポンサー契約を結んでいないものが無断でロゴなどを使用したり、会場内や周辺で便乗して行う宣伝活動。

----

「公式スポンサー契約を結んでいないものが無断でロゴなどを使用したり、会場内や周辺で便乗して行う宣伝活動」は裏返せば、オリンピックに関連したロゴ(オリンピックに関連した商標)の使用は「公式スポンサー契約」が要件となっている。しかし、そもそも、そのオリンピックに関連した登録商標(商標法第4条第2項に拠って登録された商標)を使用する権利(通常使用権)を商標権者は第三者に許諾できない、と商標法第31条第1項但書きにはっきり書かれている

商標法第31条 「商標権者は、その商標権について他人に通常使用権を許諾することができる。ただし、第4条第2項に規定する商標登録出願に係る商標権については、この限りでない

----

オリンピックに関連したロゴ(オリンピックに関連した商標)の使用は「公式スポンサー契約」が要件となっている。が、スポンサー(第三者)の使用は商標法によって認められない。いくら契約上、使用できることを当事者同士で合意しようと、商標法上は、使用権原を有しない者による商標の使用となる。つまり、商標権をスポンサー(例えばトヨタ)は侵害することになる。商標権侵害を含むアンブッシュ・マーケティングをIOCをはじめ、開催都市契約を交わした関係者が自ら斡旋していることに他ならない。違法ライセンス活動を自ら行っておきながら、「公式スポンサー契約」外での使用は厳しく取り締まろうとする(たとえば、町内会がオリンピックを応援するために「五輪」という言葉を使って大売り出しをすることなどは、IOCの登録商標「五輪」から許されない)。このアンバランス、 利益衡量の観点からも全くおかしい。オリンピックの憲章に謳われている「公益性」は全く形骸化している。

----

とにかく、現行の法制度(商標法)では、オリンピック関連商標の使用によるライセンス活動は違法ということになる。後述の参議院法務委員会での質疑応答、その後の東京新聞での報道などによって、ライセンス活動の違法性が公となった上でもなおも違法行為をIOCなどオリンピック関係者が野放しにすることは、不作為→不法行為となり、商標法以外の法律(刑法、いわゆる共謀罪を含む組織的犯罪処罰法など)にも触れる犯罪行為でもある。

----

上述の政府保証に立ち返ると、商標法に違反するライセンス活動については、究極的には政府の不作為が問われることである。すなわち、権利侵害を回避するために日本政府には特別な作為義務が課されていた(2020立候補受付手順書(2012年5月)第115頁Q7.3に対応し遅くとも2018年1月1日までに必要な法を成立させることを確認する政府機関の書面=政府保証)ことを鑑みれば、作為義務の存在にも拘わらず、その時限までに必要な法を成立させることもせず、今になって商標法第31条第1項但書きを削除するための商標法改正を以って合法化を図っている(経済産業省『「特許法等の一部を改正する法律案」が閣議決定されました。』の3.その他「公益団体等(自治体、大学等)が自身を表示する著名な商標権のライセンスを認める等の措置を講じます。」)

しかし、たとえ改正法が国会で承認され公布施行されようとも、「法令不遡及の原則」によって改正法以前に出願登録された商標には及ばず、結果、違法ライセンス状態は続くことになる。

しかも、その法改正は「オリンピックを念頭においたものではない」と政府は答弁している(2019年3月20日参議院第4回法務委員会での小川敏夫議員の質問に対する政府参考人の答弁(議事録から)。

----

商標法改正がオリンピックを念頭においたものではないと答弁し、さらにライセンス活動の違法性についてはは答弁をはぐらかす政府。これは不作為を決めこむことでもある。政府自身が不法行為を働いていることに他ならない。つまり、IOCに政府保証を以って負っている作為義務を果たさず、未だに不作為を決めこむことは政府自身が不法行為を働いていることになる。

不作為→不法行為、は「不法行為における外形標準説」だけで簡単に説明がつく話ゆえ、当事者同士の契約がどうとか、民法が著作権がどうこうなどと、その外で曖昧に政府がはぐらかして済むことでは到底ない。

この義務履行違反は、開催都市契約p72から記載のあるIOCとの契約上の問題(XI.解除 66.契約の解除)に発展しかねない。

政府およびその他の当局が行ったコミットメントの遵守の保証(開催都市契約p11)に記載の政府の誓約事項が尊重されない場合、IOCは契約を解除し、開催都市における大会を中止する権利を有しているからだ

----

国会では、IOCに具体的にいかなる文言で何を誓約したのか、IOCに提出した政府保証の開示を求め(未だに開示されていない)、その書面の内容と鑑みて、IOCに政府が誓約した行為義務(積極義務)を明らかにする必要がある。

開催都市契約のp72から記載されているIOCとの契約上の問題に発展するのであれば、政府の責任は極めて重大ということになる。

国会でも取り上げられた程の大問題にもかかわらず、東京新聞以外、メディアは一切沈黙している。当事者たるIOCなどオリンピック関係者、トヨタなどスポンサー企業もダンマリを決め込む。彼らは、すでに「違法」「違法ライセンス活動」たることを知っているのである。

オリンピックを開催すること=国益。国益のためであれば法を犯すことも吝かでない。国益のためであれば、報道すべきことも報道しない。立憲主義・法治国家のレッドカードまで切って行うオリンピック。何が国益なのだろうか?「令和」とはこういう時代の始まりなのか?暗澹たる気分である。

(おわり)

posted by ihagee at 02:17| 東京オリンピック