2017年05月04日

ガブリエル・レイ(Gabrielle Ray)- その4(パジャマ姿のスターダム)



”The Girl From Kay's” で女優として成功を収めたギャビィ。次に出演したミュージカル “The Orchid”で彼女はスターの地位を確実なものとした。



改修が終わったゲイティ劇場お披露目の初公演は1903年10月26日のミュージカル “The Orchid”で、その初日の晩には国王エドワード7世とアレクサンドラ妃の臨席に与る名誉を得た。ガーティ・ミラー(Gertie Millar)が主役を演じ、ギャビィはTrisbe役(準主役)で出演した。



ギャビィの演技は力強いものではなくまた歌声はか細かったが、ひとたび彼女が踊りだすや、蹴り上げた脚先がその金髪の巻き毛の上に高々と上がり、その軽快さはセンセーショナルなものだった。

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ギャビィがショーストッパー(拍手喝采で中断させるほどの名演技)ぶりを発揮したのは、彼女がピンクのパジャマ姿で一人歌い踊るシーンで、このシーンはピンクパジャマガール(”The Pink Pyjama Girl”)として“The Orchid”の中の呼びものとなった。



このピンクパジャマガール(”The Pink Pyjama Girl”)こそ、私がポストカードに見たあのラフなパジャマ姿と表情のギャビィだった。

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ショーストッパーよろしく、私の目を惹きつけたのである。ポストカードの中のギャビィからヴィヴィッドさを感じ取ったのも当たり前かもしれない。1905年2月15日付のポストカードの文面には「”The Orchid” で本物の彼女をみたよ」とあるから、このカードの送り主がパジャマガールに拍手喝采しているシーンまで思い浮かびそうだ。秘密が一つ解けた。

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“The Orchid” はその当時、歌劇場の演目では史上5番目のロングランとされていた、ギルバート・サリバンの歌劇 “The Gondoliers” を5回上回る559回もの公演回数を重ね大成功を収めたようだ。この過程でギャビィは当時(エドワード朝)、世界で最も多く写真に撮られる存在となっていったようである。

当時のイギリスの文芸誌 “The Tatler” は1903年11月11日付記事で以下述べている。
「新装なるゲイティ劇場のTrisbe役のガブリエル・レイ嬢は数多の有名なダンサーの中でも一二を競う芸を持っているが、ダンスが素晴らしければ誰もがそう思うフランス人でもアメリカ人でもなく、ランカシャー出身である。」

(つづく)

posted by ihagee at 00:00| ポストカード